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ウルビーノのヴィーナス [国立西洋美術館]

 "風の森ミュージアム"へようこそ。

これまで、メインブログの"風の詩"のカテゴリー"展覧会"として、観て来た美術展の記事を書いて来ましたが、今回 So-netブログで複数のブログを持てることになったのを機に、"展覧会"のカテゴリーに入るべき記事を、今後はこちらに書くことにしました。
観て来た展覧会だけではなく、これから観に行く予定の展覧会も、紹介して行く心算です。
何故かと言うと、観に行く予定でいた展覧会を、つい見落としてしまっていることが、最近よくあるからです…。
ということで、自らの備忘も兼ねて、このブログを書いて行く予定ですので、宜しくお願い致します。

さて、最初の記事は、現在「国立西洋美術館」で、開催中の『ウルビーノのヴィーナス―古代からルネサンス、美の女神の系譜』です。(2008年3月4日~5月18日まで開催)

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3月22日(土) 上野の『国立西洋美術館』で開催中の、『ウルビーノのヴィーナス―古代からルネサンス、美の女神の系譜』を観て来ました。
昨年の、『レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像』(東京国立博物館)で展示された『受胎告知』に続いて、ルネサンス期の名画の初来日展示となります。

今回の展示の中心となる作品は、言うまでも無く、告知看板にもなっている、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの『ウルビーノのヴィーナス』です。
この絵画は、西洋美術の名作の一つに数えられる作品ですが、ティツィアーノの名は、レオナルド・ダ・ヴィンチなどに比べると、日本での認知度は決して高くないように思われます。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(生没年 1488年または1490年頃から1576年)は、北イタリア出身で、盛期ルネサンスに活躍した、イタリア・ヴェネチア派を代表する画家で、その作品は後世の画家にも大きな影響を与えています。 また、この『ウルビーノのヴィーナス』という作品自体も、後世の画家に影響を与えているようです。

僕がこの作品を知ったのは、多分高校生か大学生の頃、美術史学者の 高階 秀爾(たかしな しゅうじ)さんの書かれた、岩波新書の『名画を見る眼』に載せられたモノクロの挿絵に依ってでした。実際には、この作品の挿絵のあるページは、マネの『オランピア』という作品の解説をしている部分で、その構図の類似性に就いての、謂わば参考図版として掲載されていました。


Venus-3.jpg

今回、僕が観に行った3月22日は、開催から既に2週間以上が経っていましたが、9時半の開館時間から15分ほど過ぎたばかりだったせいか、比較的空いた状態で見ることが出来ました。
それでも、暫く他の展示作品を観てから、もう一度見に行くと、絵の前にはそれなりの人だかりが出来ていました。でも、僕の前にじっと立ち止まって見ていた人たちが、僕よりは背の高くない女性ばかりだったので、さほど混雑は感じないで、再度ゆっくりと鑑賞することが出来ました。

僕はこの『ウルビーノのヴィーナス』を、これまで小さな図版でしか見たことがありませんでしたが、実物は119×165cmという大きな絵画です。
この作品では、ヴィーナスの視線が、どの角度から見ても、常に鑑賞者に向けられているように、描かれていますが、大きな画面で見ると、ちょっとどきどきするような感じもします。

作品の描かれた時期は、1538年ですから、今から丁度470年前ということになりますが、画面の美しさからは、そのような古めかしさはまったく感じられませんでした。 今回の展覧会には、他にも多くのヴィーナスをモチーフにした絵画や、彫刻・宝飾品なども展示されていましたが、『ウルビーノのヴィーナス』を見た後では、すべてが色褪せて見えてしまうほど、その美しさは際立っていると感じられました。

 Venus-2.jpg

ところで、この『国立西洋美術館』の建物は、現在「世界遺産」への登録が進められています。これを建てた建築家のル・コルビュジエは、フランス人である為、フランス政府が中心となって、世界各地に現存する建築物を取り纏めて、登録の推薦を実施するということです。こうした登録は、これまで類例がないこともあり、注目を集めています。 

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尚、今回の展覧会に就いては、国立西洋美術館のサイトに、詳しい情報や解説が載っています。

また、So-netブログでは、lapisさんが、何時もながらの詳しい解説をされた記事を、既に書かれておられますので、興味をお持ちの方は、 併せて、ご覧になることをお勧めします。    

   国立西洋美術館のサイト    
    http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html    

   lapisさんのブログ『カイエ』の記事
    http://lapis.blog.so-net.ne.jp/2008-01-02

 


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コメント 3

lapis

素敵な別館の開設、おめでとうございます。
今回は他にも素晴らしい作品が来日していますが、
やはり『ウルビーノのヴィーナス』は別格だったようですね。
実物を見るのが楽しみになってきました。
岩波新書の『名画を見る眼』は、僕もalbireoさんと同じ頃読みました。
ただ、albireoさんと違って内容は全く覚えていません。(苦笑)
拙記事の紹介&TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
by lapis (2008-03-25 22:32) 

アルファルハ

albireoさん風の森ミュージアム開館おめでとうございます。
by アルファルハ (2008-03-27 21:01) 

lapis

albireoさん、こんにちは
ようやく僕もこの展覧会に行きました。
『ウルビーノのヴィーナス』は、予想以上に素晴らしかったです。
他にも素晴らしい作品が多く、充実した展覧会だったと思います。
TBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
by lapis (2008-05-10 15:19) 

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