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国宝 薬師寺展 [東京国立博物館]

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3月30日 日曜日。
「国宝 薬師寺展」を観て来ました。
 
「国宝 薬師寺展」は、東京・上野の「東京国立博物館」の平成館で、2008年3月25日(火)から 6月8日(日) まで、開催されています。
この展覧会は、平城遷都1300年を記念して開催されるということで、それに相応しく、奈良・薬師寺の国宝が、数多く出展されています。

しかし、今回の展覧会の中心は、何と言っても、日光・月光(がっこう)の両菩薩像です。

薬師寺・金堂の本尊である「薬師如来座像」の脇侍として、その左右に立つ「日光菩薩」と「月光菩薩」が、揃って薬師寺の外で公開されるのは、初めてのことだといいます。(「薬師如来座像」は、今回は出展されていません)

この両菩薩は、腰を捻った立ち姿の、その優美さを讃えられています。
今回の展示では、薬師寺に安置されている状態では観ることの出来ない、背面の姿をも拝める、貴重な機会と言えます。

実際に背面を見ると、正面から見たとき以上に、腰を捻った姿の優美さが感じられます。

また、やはり国宝の「聖観音菩薩立像」も展示されており、その端正な立ち姿もまた、側面や背面から拝むことが出来ます。

 

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「薬師寺」の宗派は、「法相宗(ほっそうしゅう)」と呼ばれる、「唯識(ゆいしき)思想」を教義の中心とする宗派です。

「唯識思想」は、3世紀から4世紀頃に、インドで興った仏教思想の一つですが、般若心経などに説かれる「空論」を基にして、人間の深層心理に言及する、仏教的「学説」とも言える考え方です。

唯識思想は、中国では「西遊記」の「三蔵法師」のモデルとされる玄奘三蔵によって、唐の時代に齎され、その高弟の慈恩大師によって、法相宗として大成されました。

飛鳥時代には、既に日本にも伝えられ、現在では奈良の「薬師寺」と、同じく奈良の「興福寺」が、大本山となっています。

その為、薬師寺では、玄奘三蔵と慈恩大師を、それぞれ始祖・宗祖として崇め、その像を祀っています。

今回の展覧会でも、玄奘三蔵と慈恩大師の木造や画像が公開されています。

 

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大池越しの東西両塔と、紅梅越しの東塔の写真は、数年前に「薬師寺」に行った際に、撮影したものです。

因みに、薬師寺の塔は、五重塔ではなく、三重塔です。

 

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東京国立博物館の柵に沿って、桜の木の下に建てられた、道案内を兼ねた告知看板。

「ここより100m」の表示を目にすると、思わず足の運びが速くなってしまいました(苦笑)。

「日光菩薩」「月光菩薩」、そして「聖観音」の美しい立ち姿は、しっかりと心の目に焼き付けて来たつもりですが、6月8日の最終日までには、是非もう一度は、会いに行きたいと思っています。

 

尚、詳しい情報は、東京国立博物館のサイトにて、ご確認下さい。

      http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00

 

 

また、sanesasi さんも、「薬師寺展」を観に行かれて、素晴らしい記事を書かれていらっしゃいます。
sanesasi さんの記事です↓
http://sanesasi.blog.so-net.ne.jp/2008-04-26

 

 

 

 


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コメント 1

sanesasi

ご紹介ありがとうございます
ここより100メートル のお写真 気が付かないで通り過ぎたようです 桜がきれいです
東塔のお写真 梅と塔 空の色が美しく
信綱の歌 「行く秋の大和の国の薬師寺の 塔の上なるひとひらの雲」 
春と秋の違いはありますが 「塔の上なるひとひらの雲」を 思わず思ってしまいました


by sanesasi (2008-05-23 21:13) 

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