SSブログ
- | 次の10件

コロー 光と追憶の変奏曲 [国立西洋美術館]


東京・上野の「国立西洋美術館」での、次回の企画展は「コロー 光と追憶の変奏曲」と題して、日本にもファンの多いフランスの画家 カミーユ・コローの展覧会が予定されています。

会期は、2008年6月14日(土)~8月31日(日)

現在開催中の「ウルビーノのヴィーナス」の後に開催されます。

        コロー展チラシ.jpg

現在、上図のチラシが配布されています。

チラシによれば、「ルノワールやモネ、シスレー、ブラックなどの作品もまじえ」110余点の作品が公開されるということです。

コローは、その人気の割に、本格的な展覧会は、海外でも日本でも、あまり開催されていないということで、今回の展覧会は多くの作品をいちどきに見られるチャンスであるようです。

僕も、コローは大好きな画家の一人ですが、展覧会・画集等を含めて、これまでに見た作品は、その殆どが森の風景等を描いた作品が多く、チラシに大きく印刷されたような、人物画はあまり知りませんでした。

開催は、まだ少し先ですが、今から楽しみな展覧会の一つであるため、前回「ウルビーノのヴィーナス」を観に行った際に、チケットも早々に手に入れて来ました。

なお、この展覧会は 2008年9月13日~12月7日まで「神戸市立博物館」で、巡回展が開かれる予定とのことです。


 詳しい情報は「国立西洋美術館」のサイトをご参照下さい。

    http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html

 

 


国宝 薬師寺展 [東京国立博物館]

yakusiji-03.jpg

3月30日 日曜日。
「国宝 薬師寺展」を観て来ました。
 
「国宝 薬師寺展」は、東京・上野の「東京国立博物館」の平成館で、2008年3月25日(火)から 6月8日(日) まで、開催されています。
この展覧会は、平城遷都1300年を記念して開催されるということで、それに相応しく、奈良・薬師寺の国宝が、数多く出展されています。

しかし、今回の展覧会の中心は、何と言っても、日光・月光(がっこう)の両菩薩像です。

薬師寺・金堂の本尊である「薬師如来座像」の脇侍として、その左右に立つ「日光菩薩」と「月光菩薩」が、揃って薬師寺の外で公開されるのは、初めてのことだといいます。(「薬師如来座像」は、今回は出展されていません)

この両菩薩は、腰を捻った立ち姿の、その優美さを讃えられています。
今回の展示では、薬師寺に安置されている状態では観ることの出来ない、背面の姿をも拝める、貴重な機会と言えます。

実際に背面を見ると、正面から見たとき以上に、腰を捻った姿の優美さが感じられます。

また、やはり国宝の「聖観音菩薩立像」も展示されており、その端正な立ち姿もまた、側面や背面から拝むことが出来ます。

 

yakusiji-01.jpg

「薬師寺」の宗派は、「法相宗(ほっそうしゅう)」と呼ばれる、「唯識(ゆいしき)思想」を教義の中心とする宗派です。

「唯識思想」は、3世紀から4世紀頃に、インドで興った仏教思想の一つですが、般若心経などに説かれる「空論」を基にして、人間の深層心理に言及する、仏教的「学説」とも言える考え方です。

唯識思想は、中国では「西遊記」の「三蔵法師」のモデルとされる玄奘三蔵によって、唐の時代に齎され、その高弟の慈恩大師によって、法相宗として大成されました。

飛鳥時代には、既に日本にも伝えられ、現在では奈良の「薬師寺」と、同じく奈良の「興福寺」が、大本山となっています。

その為、薬師寺では、玄奘三蔵と慈恩大師を、それぞれ始祖・宗祖として崇め、その像を祀っています。

今回の展覧会でも、玄奘三蔵と慈恩大師の木造や画像が公開されています。

 

yakusiji-02.jpg

大池越しの東西両塔と、紅梅越しの東塔の写真は、数年前に「薬師寺」に行った際に、撮影したものです。

因みに、薬師寺の塔は、五重塔ではなく、三重塔です。

 

yakusiji-04.jpg

東京国立博物館の柵に沿って、桜の木の下に建てられた、道案内を兼ねた告知看板。

「ここより100m」の表示を目にすると、思わず足の運びが速くなってしまいました(苦笑)。

「日光菩薩」「月光菩薩」、そして「聖観音」の美しい立ち姿は、しっかりと心の目に焼き付けて来たつもりですが、6月8日の最終日までには、是非もう一度は、会いに行きたいと思っています。

 

尚、詳しい情報は、東京国立博物館のサイトにて、ご確認下さい。

      http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00

 

 

また、sanesasi さんも、「薬師寺展」を観に行かれて、素晴らしい記事を書かれていらっしゃいます。
sanesasi さんの記事です↓
http://sanesasi.blog.so-net.ne.jp/2008-04-26

 

 

 

 


ウルビーノのヴィーナス [国立西洋美術館]

 "風の森ミュージアム"へようこそ。

これまで、メインブログの"風の詩"のカテゴリー"展覧会"として、観て来た美術展の記事を書いて来ましたが、今回 So-netブログで複数のブログを持てることになったのを機に、"展覧会"のカテゴリーに入るべき記事を、今後はこちらに書くことにしました。
観て来た展覧会だけではなく、これから観に行く予定の展覧会も、紹介して行く心算です。
何故かと言うと、観に行く予定でいた展覧会を、つい見落としてしまっていることが、最近よくあるからです…。
ということで、自らの備忘も兼ねて、このブログを書いて行く予定ですので、宜しくお願い致します。

さて、最初の記事は、現在「国立西洋美術館」で、開催中の『ウルビーノのヴィーナス―古代からルネサンス、美の女神の系譜』です。(2008年3月4日~5月18日まで開催)

Venus-1.jpg

3月22日(土) 上野の『国立西洋美術館』で開催中の、『ウルビーノのヴィーナス―古代からルネサンス、美の女神の系譜』を観て来ました。
昨年の、『レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像』(東京国立博物館)で展示された『受胎告知』に続いて、ルネサンス期の名画の初来日展示となります。

今回の展示の中心となる作品は、言うまでも無く、告知看板にもなっている、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの『ウルビーノのヴィーナス』です。
この絵画は、西洋美術の名作の一つに数えられる作品ですが、ティツィアーノの名は、レオナルド・ダ・ヴィンチなどに比べると、日本での認知度は決して高くないように思われます。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(生没年 1488年または1490年頃から1576年)は、北イタリア出身で、盛期ルネサンスに活躍した、イタリア・ヴェネチア派を代表する画家で、その作品は後世の画家にも大きな影響を与えています。 また、この『ウルビーノのヴィーナス』という作品自体も、後世の画家に影響を与えているようです。

僕がこの作品を知ったのは、多分高校生か大学生の頃、美術史学者の 高階 秀爾(たかしな しゅうじ)さんの書かれた、岩波新書の『名画を見る眼』に載せられたモノクロの挿絵に依ってでした。実際には、この作品の挿絵のあるページは、マネの『オランピア』という作品の解説をしている部分で、その構図の類似性に就いての、謂わば参考図版として掲載されていました。


Venus-3.jpg

今回、僕が観に行った3月22日は、開催から既に2週間以上が経っていましたが、9時半の開館時間から15分ほど過ぎたばかりだったせいか、比較的空いた状態で見ることが出来ました。
それでも、暫く他の展示作品を観てから、もう一度見に行くと、絵の前にはそれなりの人だかりが出来ていました。でも、僕の前にじっと立ち止まって見ていた人たちが、僕よりは背の高くない女性ばかりだったので、さほど混雑は感じないで、再度ゆっくりと鑑賞することが出来ました。

僕はこの『ウルビーノのヴィーナス』を、これまで小さな図版でしか見たことがありませんでしたが、実物は119×165cmという大きな絵画です。
この作品では、ヴィーナスの視線が、どの角度から見ても、常に鑑賞者に向けられているように、描かれていますが、大きな画面で見ると、ちょっとどきどきするような感じもします。

作品の描かれた時期は、1538年ですから、今から丁度470年前ということになりますが、画面の美しさからは、そのような古めかしさはまったく感じられませんでした。 今回の展覧会には、他にも多くのヴィーナスをモチーフにした絵画や、彫刻・宝飾品なども展示されていましたが、『ウルビーノのヴィーナス』を見た後では、すべてが色褪せて見えてしまうほど、その美しさは際立っていると感じられました。

 Venus-2.jpg

ところで、この『国立西洋美術館』の建物は、現在「世界遺産」への登録が進められています。これを建てた建築家のル・コルビュジエは、フランス人である為、フランス政府が中心となって、世界各地に現存する建築物を取り纏めて、登録の推薦を実施するということです。こうした登録は、これまで類例がないこともあり、注目を集めています。 

sakura-2.jpg

 

尚、今回の展覧会に就いては、国立西洋美術館のサイトに、詳しい情報や解説が載っています。

また、So-netブログでは、lapisさんが、何時もながらの詳しい解説をされた記事を、既に書かれておられますので、興味をお持ちの方は、 併せて、ご覧になることをお勧めします。    

   国立西洋美術館のサイト    
    http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html    

   lapisさんのブログ『カイエ』の記事
    http://lapis.blog.so-net.ne.jp/2008-01-02

 


- | 次の10件

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。